毎年夏になると、台風やゲリラ豪雨、落雷といった突発的なトラブルが多く発生します。そして、急激な天候の変化で起こりやすいのが、停電。 電化製品にとって、突然の停電や落雷による過電流は、故障の原因となります。 パソコンやNASなどの電子機器も例外ではありません。 今回は、停電後に繋がらなくなったLinkStationからのデータ復旧事例を通して、
・RAIDとはどういうものか
・停電による機器の故障を回避するにはどうすればよいか
をお伝えします。
Contents
雷雨で停電! LinkStationが繋がらない!?
全国的に大気の状態が不安定な7月のある日、沖縄県の介護・福祉業のお客様より、LinkStation(リンクステーション)が故障したとの連絡を受けました。
状況として、約6年ほど使用していたLinkStation (LS-WH2.0TGL/R1)が雷雨の影響で停電した後、全く繋がらなくなったとのことでした。 壊れた機器の中には、日常業務に欠かせないサービスの計画書やチェック表などは勿論、重要な資料も入っていました。
購入した約6年前から、全てのデータをこの1台に集約していて、別機器へのバックアップもとっていない状態でした。
とにかく急ぎで「すぐにでも復旧をしたい」というご要望をうけ、沖縄へ駆けつけて出張対応を行いました。
故障したのはRAID0のLinkStation
現地で機器を確認したところ、LinkStation LS-WH2.0TGL/R1の中には2台のHDDが搭載されており、RAID0(ストライピング)※の構成でした。
RAIDとは、複数のHDDを、1つのHDDのように組み合わせる技術の事です。 PCやNASと呼ばれる機器に、複数台のHDDを取り付け、構成します。
RAID構築の目的としては、おもに保存容量を増やしたり、HDDに障害が発生した際の、データ消失のリスクを減らすなどが挙げられます。
今回の機器は、HDDが2台搭載されているNASでした。 2台のHDDで、構築できるRAIDタイプは、おもにRAID0とRAID1、JBODがあります。
RAID0・・・アクセス速度向上や、Disk2台分を使用したいときに構成します。使用できるデータ容量は、最小HDDの容量×台数分となります。 ただし、片方1台のHDDが故障すると、もう1台が正常でも、データが消失する危険性があります。
RAID1・・・1台のHDDを、もう片方のHDDと同期させる構成です。片方が故障しても、もう1台が正常に動けばデータが取り出せる可能性があります。 ただし、使用できる容量は最小HDD1台分のみとなります。
JBOD・・・異なる容量のHDDを組み合わせた場合、組み合わせるHDDの容量全てを使うことができます。ただしデータの読み書き速度が遅く、 HDDが故障した場合は、故障したHDDに書き込まれていたデータ分が消失します。
よくRAID1がバックアップと混同される場合もありますが、RAIDは運用に対しての冗長性を確保するものであって、厳密にはバックアップとは意味が異なる点に注意が必要です。
RAIDの種類・違いについては、こちらの記事で説明しています。
今回の機器は前述のとおり、RAID0で構成されていました。 RAID0は、どちらかのHDDが1台でも壊れているとデータが見えなくなってしまうため、復旧させるには故障したHDDのクローン作業が必要な状態でした。 また、正常なHDDにも経年劣化で障害が悪化する可能性があったため、2台ともにクローン作業を実施しました。
現地でのデータ復旧に成功!
現地にて、約6時間作業した結果、全ての領域を正常に取得する事が出来ました。 クローン作業をしたHDDから再度、RAIDの構築を行った結果、データを開く事に成功しました。
確保したデータをお客様に確認頂いた時は、「素早い反応で助かりました」と非常にお喜び頂けました。
当社では、お客様先まで伺って診断する「出張診断」も行っております。 お気軽にご相談下さい。
弊社の資料・パンフレットはこちらからダウンロード
・機器概要:LinkStation
・構成:RAID0
・症状:電源がつながらない
・故障原因:停電及び経年劣化によるHDD故障
・使用用途:業務用データの保存
停電対策と日頃からのバックアップが重要
HDDの寿命は、メーカーにより様々ですが、おおよそ5,6年と言われています。 今回のお客様は、HDDが寿命に差し掛かっていたところに停電も重なり、故障してしまったと考えられます。
台風や雷雨など、停電によるトラブルへの対策として、以下の3つの方法があります。
1、前もって電源を切り、コンセントからプラグを抜いておく
・急な災害による停電等のトラブルに備え、使わない場合電子機器は電源を切りましょう。 また、電源を切っていても電気が流れ込んでしまう危険もあるので、コンセントからプラグを抜いてしまうか、対雷サージ付きの電源タップを活用しましょう。
2、UPS(無停電電源装置)を導入する
・停電が起きてしまってもUPSからの給電に切り替わるので、自動的にシャットダウンさせるなどの設定をNASやサーバに施すことで、より安全なデータの運用ができます。 ただし、タコ足配線など、誤った方法で繋げてしまうと故障する可能性があるので注意して下さい!
3、データを自動バックアップさせましょう!
・万が一のトラブルに備えて、一番有効なのは日頃からバックアップを取っておくことです。 また、ヒューマンエラーでのバックアップ漏れを防ぐため、手動よりも自動でのバックアップをお薦めします。
重要なデータを失わないためにも、日頃からバックアップを取っておく事、そしてバックアップ先のデータが最新であるかをチェックしておくことも大切です。
データ復旧後のバックアップ対策実績
今回、バックアップと停電対策がされていなかったことから、緊急対応が必要になってしまったので、データ復旧とともに、弊社のGURDIAN+R E1を同時に導入いただきました。
バックアップ設定はもちろん、停電対策として、UPSも合わせて設定させていただきました。 以下、導入の実績をご紹介します。
(QNAP社製 TS-231K+Western Digital社製HDD REDモデル 3TB×2 搭載)
使用用途: 社内の共有サーバ用に運用、自動バックアップ、UPSを設定
Q. GUARDIAN+Rを導入したきっかけ・決め手は?
A. 使用していたLinkStatationが故障してしまい、新たな機器が必要だったからです。無料出張設定サポート及びトラブル時に対応いただけるということで、案視できると思い、導入を決めました。
Q. QNAPの活用法は?
A.以前のNASと同様、社内のファイル共有サーバとして運用しています。
Q. 実際に導入した評価は?
A.ファイルサーバとしても高速で音も静かなので、ストレスなく仕事ができるのが良かったです。 また、外付けHDDへの自動バックアップの設定もされており、さらに、UPSとの連動も設定していただくことができたため、安心して運用することが出来ています。 サポートも設置設定時だけでなく、1年後もきちんと見ていただけていますので、非常に安心感があります。
大切な資産(データ)をお守りするためも、ぜひ高性能・高品質なNASをお使いください。 また、GUARDIAN+Rは設置サポートからバックアップ体制の構築まで盤石なサポートをいたします。 全力でお客様のデータをお守りいたします!
災害は突然やってきます。 今回は停電により、LinkStationが故障してしまいましたが、水害などにより、機器が壊れてしまうケースもあります。 その際に、大切なデータを失わないためにも日々の対策が重要です。
リプラスでは、高耐久HDDを採用したQNAP製NAS「GUARDIAN+R」を販売するとともに、無料出張サポート、バックアップ対策も相談に乗らせていただいております。 データの事で何かお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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